「蕎麦屋を独立開業したい!」
「好きなラーメンを作って生活していきたい!」
「退職したら居酒屋をやってみたい!」
飲食店って夢がありますよね!
しかし開業して2年以内に多くのお店が廃業しているという現実があります。
その1番大きな理由が、想定していた以上に収入が少ないということ。
一生懸命に技術や経験、お金を貯めていざ開業しても、2年で閉店では寂しすぎます。
そういう事態を回避するために、開業前に知っておきたいことがあります
- 自分が開業を目指す業態では、どうすれば儲けることができるのか
- 儲かるお店はどのように作れば良いのか
- 業態別の強みと弱み
- 業態別、利益を増やす方法
- 業態別の儲かる店作り
それでは詳しく解説して行きます。
Contents
飲食店、儲かる業種と儲からない業種
飲食店と言っても様々な業種があり、その業種によって利益率が異なります。
まずは自分が開業する業種がどのくらい儲かるのかを知っておく必要があります。
日本政策金融公庫総合研究所の資料や筆者の(飲食店仲間から聞いた)活きた情報をまとめると以下のようになります。
【利益が出やすい業種】
ラーメン店、そば・うどん店、焼肉店
【次に利益が出やすい業種】
食堂、中華料理店、すし店
【利益が出にくい業種】
居酒屋、西洋料理店(フレンチ、イタリアンなど)、お好み焼き店
【最も利益が出にくい業種】
料亭、カレー店、カフェ
あなたが開業したい業種はいかがですか?
それではいくつかの主力の業態を詳しく見ていきましょう。
ラーメン、そば、うどん店の特徴
ラーメン、そば、うどん店、いわゆる麺を単品で売る麺屋業態です。
飲食店の中でも1番利益を出しやすい業態と言われています。
その理由は原価が安く食材のロスが出にくいからです。
原価が安く食材のロスが出にくい
この業態は麺がメインであることが一番の強み。
麺の原料の小麦粉やそば粉などは他の食材に比べれば原価が非常に安いです。
その麺が軸になってメニュー構成されているので、変わるのは味付けやスープ、トッピングなど。
例えばラーメン店であれば、同じ麺で醤油、味噌、とんこつ、塩などとメニューが増やせます。
さらにトッピングでネギ、海苔、味玉、ニンニクなど、どれも原価が非常に安いので利益が出やすいと言えます。
そば、うどん店も高価な食材は海老と鴨くらい。
天麩羅も野菜中心であれば原価が安く済みます。
この業種は比較的メニュー数が少なくても営業できるので、食材のロスが出にくいという特徴もあります。
さらにオペレーション効率が良いので提供スピードが早く、回転率も高くなります。
仕込みに時間がかかり労働時間が長くなりがち
この業態は、店舗で行う作業の種類があまり多くないので職人が一人居れば他はアルバイトでも経営していけます。
しかしスープや出汁取り、製麺作業は非常に時間がかかるので、職人や店主が長時間労働になりがちです。
儲けを多く出すには席数、メニュー数を増やしすぎないこと
この業態が儲けを出すには席数とメニュー数を増やしすぎないことがポイントです。
ラーメン、そば、うどん店の理想の席数
席数は家賃に比例するため小さなスペースで回転率を上げることが儲かる秘訣です。
ラーメン店であればカウンターのみ、そば・うどん店であればワンフロアーで見渡せるスペースで回転数を上げていくのが理想的です。
ラーメン、そば、うどん店のメニュー
もともとメニュー数が少なくてすむ業態なので、丼ものや、刺身、肉料理など手を広げてしまうと、原価が上がったり、オペレーションが悪くなるので注意が必要です。
強み
・少ないメニュー数で営業できる
・原価を低く抑えることができる
・回転率が高い
弱み
・仕込みに時間がかかり労働時間が長くなりがち
焼肉店の特徴
焼肉店の強み
焼肉店はお客さんが肉を焼いてくれるため、その分の人件費が低く抑えられるというのが1番の強みです。
さらに、主力メニューの多くは肉を切って並べるだけなので、料理の提供が早く回転率も期待でき儲けが出やすいです。
焼肉店の弱み
焼肉店の弱みは仕入れ原価が高いことと肉の掃除ができる職人が必要なこと。
元々が高級な牛肉ですが素材にこだわれればさらに原価が上がります。
利益を増やす方法
メインの肉の原価が高いので、原価の安いホルモン料理を取り入れたり、肉の掃除で出たすじ肉を使った料理をを提供すると儲けが増えます。
お酒が出やすい業種なのでお酒の種類を増やすと売上が上がりやすいです。
強み
・人件費が安く済む
・回転率が高い
・お酒が出やすい
弱み
・肉を掃除する職人が必要
・食材原価が高い
食堂、中華店の特徴
食堂、中華店の強み
食堂や中華店(町中華)は家族経営のお店が多く、人件費がコントロールしやすいのが特徴です。
価格が安く、料理の提供も比較的早いため、ランチに強い業態です。
出前やテイクアウトにも向いているので、店の規模が小さくても多くの売上を見込めます。
食堂、中華店の弱み
個人店だけでなく、ファミレスなどもライバル店になることがあるため、競合店が多くなります。
さらにオフィス街や住宅街、駅前など、多くの人が行き来する場所でないと経営が厳しくなることが多いです。
強み
・家族経営に向いていて人件費がコントロールしやすい
・出前やテイクアウトに向いている
弱み
・競合店が多い
・売上が立地に左右されがち
・売価が安い
すし店の特徴
すし店は大手の回転寿司チェーンと町の握り寿司店の2つに分けられ、それぞれ特徴が異なります。
回転寿司チェーンの特徴
回転寿司チェーンは寿司だけでなくお客さんの回転も良いです。
食材を大量に仕入れることで原価を下げ、薄利多売で儲けを出している業種と言えます。
町の寿司屋の特徴
町の寿司屋は食材原価は高いのですが、お酒が出やすい業種なのでそこで儲けが発生します。
接待やデートなど高単価のお客さんを狙える所が強みです。
また、お寿司業態全体に言えることは、火を使わないので設備投資や店舗維持費が安く済むという特徴があります。
ほとんど火を使わないので、大掛かりな換気扇が必要な厨房工事も必要ありません。
すし店の弱み
すし店の主力商品は生の魚なので、季節や天候の影響で仕入れ値が左右されやすいです。
台風で船が出れないときなどは魚が少なくなり、さらに値段も上がります。
食材の鮮度が重要な業態のため、品質を重視するとロスが出やすくなります。
こういった理由から飲食店の中で最も食材に対しての原価率が高い業種と言えます。
強み
【回転寿司チェーン】薄利多売で席回転率が高い。
【町の寿司屋】高単価のお客さんに利用されやすい。
・設備投資や店舗維持費が安く済む
弱み
・季節や天候に仕入れ値が左右されやすい
・食材のロスが出やすい
居酒屋の特徴
居酒屋の強み
一口に居酒屋と言っても様々な業態があります。
海鮮系、お肉系、立ち呑み、バル、個室など。
さらに大型店と個人店とでは営業スタイルが異なります。
居酒屋業態の良いところは何と言ってもお酒がメインなところです。
お酒のメリットは
・アルバイトスタッフでも簡単に作れる
・利益率が高い
・ロスが出づらい
などがあげられ、
居酒屋の弱み
居酒屋業態の弱みは大きく2つあります。
・酒離れ
・競合店の多さ
お酒を飲まない、又は飲みたくても飲めない高齢者が増えてきたことや、若者の酒離れが進んでいるためお酒を飲む人口が減ってきています。これは居酒屋業態だけでなく、飲食業界全体の懸念点ではありますが、特に居酒屋業態には影響大です。
そして居酒屋の競合店の多さは町を歩いていればわかりますよね。
街中はもちろん、小さな駅にも、住宅街の中にも点在しています。
オンリーワンの店作りで差別化する
居酒屋を長く続けたり、利益を増やすためには他店とは違う特徴のある商品やサービスを展開する必要があります。
・ここでしか食べられないメニューがある
・この店にしかないサービスや空間がある
こういったお店は強いですね!
強み
・利益の多いお酒がたくさん売れる
弱み
・酒離れが進んでいる
・競合店が多い
西洋料理店
西洋料理店の強み
西洋料理店(フランス料理やイタリア料理店など)の大きな特徴は、お客さんにゆっくりと食事を楽しんでもらうこと。基本的には席回転を求めず、セットやコース仕立てにしているお店が多いです。
席回転を求めないので、駅前などの好立地にある必要はなく、家賃の安い人通りのあまりない立地でも商売が成り立ちます。
また、前日までに予約をしてからお客さんが来店してくれるため食材の仕入れが予測しやすいです。
西洋料理店の弱み
西洋料理店の一番の弱みは、専門性が高いため人材の確保が困難なことと、スタッフを維持するための人件費の高さではないでしょうか。リーズナブルな価格帯の店舗は別として、高単価のお店になるとそれなりに知識と経験が豊富なサービススタッフが必要になります。
また、コース料理とアラカルト料理の両方を提供しているお店はキッチンのオペレーションに苦労しています。
コース料理とアラカルトでは食材のポーション(大きさや重さ)が異なるため事前準備がしづらいのです。そのため、オーダーが入ってから食材をカットして準備するので、料理の提供時間が遅くなってしまいます。
コース料理かアラカルト料理かどちらかに絞る
強み
・人通りの少ない静かな場所でも経営が成り立つ
・予約してからの入店が多いので、仕入れ予測がしやすい。
弱み
・サービスマンなど人件費がかかることが多い。
・コースとアラカルトでオペレーションが異なる
カフェ
カフェの強み
カフェは飲食店を開業する人にとって人気な業態です。
おしゃれだし、こだわりのコーヒーを提供できて楽しそう!食事も軽食中心なので専門の調理技術を必要としないことが多いです。
自宅を改装したり、自分のライフスタイルで営業できたり、自由度が高いのも人気の理由。
趣味の洋服や雑貨を一緒に販売しているお店もありますよね。
一人でも、夫婦2人でも営業できる気楽さも人気の秘密です。
カフェの弱み
カフェは飲食店の中でも一番利益が出にくい業態と言るので注意が必要です。
カフェ業態が利益が出にくいのには主に次の理由があります。
・利益率の高いお酒が出にくい
・お客さんの滞在時間が長く席回転しづらい
・大手カフェチェーンの人気が根強く競合店が多い
カフェで利益を増やすには
個人店がカフェで営業を続けていくには
・大手のカフェと違い、お客さんの滞在時間を長くしない対策をする
・お酒が出るようなメニュー構成や店内レイアウトを考える
ことが大切になります。
店内でパソコン作業をするのは大手チェーン店に任せて、コーヒーや料理の味、居心地の良さで差別化できると強いです。
夜は店内の照明を暗くして、お酒が飲みたくなるようなおつまみを用意しておくと利益が上がります。
強み
・調理に専門の技術を必要としない
・一人でも経営できる
弱み
・単価が低い
・お客さんの滞在時間が長く回転率が低い
まとめ
今回の記事では大まかに各業態の特徴を上げてみました。
もちろんこの通りではないお店もたくさんあります。
あくまでも一般論として見ていただいた上で、今後の対策に当てていただければと思います。
いずれにせよ、業種によって利益率が異なるので、自分の業態の強みを生かし、弱みを最大限に解消できるよう店舗を作り込むことが大切ですね。